#3-007 教育費が増える前に。住まい、どう決める?

子どもの成長はうれしい反面、住まいとお金の悩みも少しずつ大きくなっていきます。部屋数や収納、このまま住み続けるべきか、それとも住み替えるべきか。迷いやすいテーマだからこそ、感覚だけで決めないことが大切です。この記事では、教育費の増え方や住まいへの不満に関する公的データをもとに、子育て世帯が無理なく考えたい「住まいの判断軸」を整理します。
子育て期の住まいは、「なんとなく」で決めない
子どもが成長してくると、「今の家、このままで大丈夫かな」と感じる場面が増えてきます。子ども部屋は必要か、物は片づくか、通学しやすいか。気になることはあっても、住み替えたほうがいいのか、今の家を整えればいいのか、すぐには答えが出ないものです。そんなときに大切なのは、気持ちだけで判断しないこと。これから増えていく教育費と、毎月の住まいの負担をいっしょに見て考えることが、後悔しにくい選び方につながります。
住まいの悩みは、毎日の暮らしの中で大きくなる
たとえば、子どもの荷物が増えてリビングが片づかない。在宅勤務の場所が落ち着かない。進学を考えると、通いやすさも気になる。こうした悩みは、特別な家庭だけのものではありません。子育て中のご家庭にとっては、ごく自然に出てくる変化です。国土交通省の調査でも、子育て世帯では「広さや間取り」「収納の使いやすさ」「防犯性」への不満が目立っています。さらに、住み替えのきっかけとして「子どもの誕生・成長・進学」を挙げる世帯も多く、子育てと住まいの見直しは切り離せないテーマだとわかります。
「家が手狭だから引っ越す」だけでは、あとで苦しくなることも
ただ、家が少し狭く感じるからといって、すぐに大きな決断をするのは注意が必要です。教育費は、子どもの進路によって大きく変わります。文部科学省の調査では、年間の学習費総額は公立小学校で約34万円、公立中学校で約54万円でした。私立を選ぶ場合は、さらに負担が大きくなります。住まいにお金をかける時期と、教育費が増える時期が重なると、家計への負担が一気に重くなりやすくなります。だからこそ、「今は住まいにどこまでお金をかけてよいか」を落ち着いて見極めることが大切です。
判断のコツは、「直す」「そのまま」「住み替える」を分けて考えること
迷ったときは、まず選択肢を三つに分けてみるのがおすすめです。収納や間取りの工夫で改善できるなら、今の家を整えながら住み続ける。設備の古さや使いにくさが中心なら、必要なところだけ手を入れる。通学や生活環境そのものが合わなくなってきているなら、住み替えも視野に入れる。こうして考えると、判断が少しずつ整理しやすくなります。あわせて確認しておきたいのが、毎月の返済が無理のない範囲かどうかです。住宅金融支援機構の2025年度フラット35利用者調査では、総返済負担率の平均は22.8%でした。住まいの見直しは、広さだけでなく、これからの暮らしとお金のバランスで考えることが、後悔しない近道です。
わが家に合った答えを、早めに見つけておく
住まいの正解は、どの家庭にも同じではありません。ただ、子どもが大きくなる前の段階で一度立ち止まり、「これから何にお金がかかるのか」「今の家の不満は工夫で解決できるのか」を整理しておくと、判断はぐっとしやすくなります。家を広くすることだけが答えではなく、今の暮らしに合う形へ整えることも立派な選択です。子育てと住まいの両方を大切にするためにも、早めの見直しがこれからの安心につながります。
★ご注意ください★
※教育費は、公立・私立の違い、塾の利用、きょうだいの人数などによって大きく変わります。本文中の金額は平均値です。
※返済負担率22.8%は、フラット35利用者調査に基づく参考値です。すべてのご家庭にそのまま当てはまるものではありません。
※住まいの悩みは、家族構成や地域、持ち家か賃貸かによっても異なります。本文は一般的な傾向をもとにまとめたものです。
<引用元>
文部科学省 『令和5年度子供の学習費調査』
総務省統計局 『家計調査年報(家計収支編)世帯主の年齢階級別』
国土交通省 『令和5年住生活総合調査(確報集計結果)』
住宅金融支援機構 『2025年度 フラット35利用者調査』
次回予告
次回は、親の年齢が気になり始めたときに考えたい「実家」と「わが家」の整え方がテーマです。
介護が必要になってから慌てないために、住まいの安全性や暮らしやすさ、家族で早めに話しておきたいポイントを、公的データをもとにわかりやすく整理します。