生活お役立ちコラム Posted. 2026.09.02

#1-015 豪雨シーズンに備える、在宅避難を前提にした戸建ての備蓄と置き場

 

大雨や台風の時期は、「避難所へ行く準備」だけでなく、自宅で安全に過ごせるかを考えておくことも大切です。戸建てでは、家の立地や浸水リスク、備蓄の量、置き場の工夫によって、在宅避難のしやすさが変わります。今回は、ハザードマップの見方から、ローリングストック、トイレ備蓄、収納の考え方まで、無理なく続けやすい基本を整理します。

 

 

30秒で要約

– 在宅避難は、自宅が安全な場合の選択肢。まずはハザードマップで浸水や土砂災害のリスクを確認します。
– 備蓄は、特別な非常食だけでなく、ふだん食べるものを少し多めに持つローリングストックが続けやすい方法です。
– 食品だけでなく、水・簡易トイレ・生活必需品まで含めて、家族構成に合わせて準備しておくことが大切です。

 

 

まず確認したいのは「この家で在宅避難できるか」

在宅避難は便利な方法ではありますが、どの家でも選べるわけではありません。政府広報オンラインでは、屋内安全確保の前提として、①家屋倒壊等氾濫想定区域に入っていないこと、②浸水深より高い位置に居室があること、③水が引くまで過ごせるだけの水・食料などの備えがあること、の3条件を挙げています。まずは自治体のハザードマップを確認し、「自宅にとどまる備え」が成り立つかを見ておくことが出発点です。

備蓄は「非常用」より「日常の延長」で考える

食品備蓄は、がんばって特別な物をそろえるより、いつも使う食品を少し多めに持ち、食べたら買い足すローリングストックのほうが続けやすいとされています。目安は、最低3日分、できれば1週間分。水は1人1日およそ3L、カセットボンベは1人1週間あたり約6本が目安です。米、麺、レトルト、缶詰、飲料などを、ふだんの暮らしに組み込んで備えると、ムダも出にくくなります。

 

 

見落としやすいのは「トイレ」と「家族ごとの個別備蓄」

災害時は断水などで自宅のトイレが使えなくなることがあります。内閣府防災情報の紹介では、災害用トイレは1人あたり1週間で35回分が備蓄の目安です。加えて、乳幼児、高齢者、慢性疾患のある方、食物アレルギーのある方などがいる家庭では、一般的な備蓄だけでは足りません。農林水産省は、要配慮者向けの食品ストックガイドを公開しており、できるだけふだんに近い食事や必要品を切らさない備えを勧めています。

 

 

置き場は「見える化」と「分散」で続けやすくする

備蓄は、量だけでなくどこに置くかで使いやすさが変わります。農林水産省は、毎日使う食品はキッチンに置いてローリングストックし、たまに使う食品は押し入れやクローゼットに分ける「見える化収納」を紹介しています。水は1か所にまとめず、キッチン、リビング、寝室のクローゼットなどに分散収納する考え方も有効です。さらに、重いものは下段へ、カセットコンロとボンベは同じ場所の低い棚へ、という基本を押さえると、管理もしやすくなります。

 

 

戸建てだからこそ、「家に合わせて無理なく」が正解

戸建てといっても、パントリーの有無、床下収納の有無、階段下収納の広さ、オール電化かガス併用かなど、条件はそれぞれ違います。大切なのは、家族の人数と住まいの仕様に合った備え方にすることです。たとえばオール電化住宅でも、農林水産省は万が一に備えてカセットコンロの備えを勧めていますし、政府広報オンラインも家族構成や生活必需品に応じた備蓄を呼びかけています。「正解はひとつ」ではなく、「自宅に合う形で続けられること」が備えを現実的にします。

 

 

~ご注意ください~

※1 在宅避難は、自宅が安全な場合に限る選択肢です。ハザードマップで危険が想定される場合は、原則として立ち退き避難が必要です。
※2 備蓄量は一般的な目安です。家族人数、乳幼児、高齢者、慢性疾患、食物アレルギーの有無、住まいの設備仕様に応じて調整してください。

 

 

【3分チェックリスト】今週の“やること”まとめ

1. ハザードマップで、自宅周辺の浸水・土砂災害リスクを確認する
2. 水を1人1日3Lの目安で数え直す
3. 食品は「3日分以上、できれば1週間分」を基準に見直す
4. レトルト、缶詰、麺類、飲料を「食べて補充する」形に切り替える
5. 簡易トイレ・携帯トイレを1人35回分/週の目安で確認する
6. 乳幼児、高齢者、持病、アレルギーなど家族固有の備えを書き出す
7. 備蓄の置き場を「キッチン」「収納」「分散保管」に整理し、重い物は下段へ移す

 

 

<引用元>

– 政府広報オンライン 『「警戒レベル4」までに危険な場所から全員避難!5段階の警戒レベル
– 政府広報オンライン 『【防災特集】ACTION01 災害に事前に備える
– 政府広報オンライン 『今日からできる食品備蓄。ローリングストックの始め方
– 内閣府防災情報のページ 『トイレ備蓄忘れていませんか?
– 農林水産省 『災害時に備えた食品ストックガイド
– 農林水産省 『備蓄食品の収納テクニック

 

 

次回予告

『夏の傷みを持ち越さないための、住まいのリセット点検』
次回は、夏のあいだにたまりやすい汚れや湿気、傷みを持ち越さないために、住まい全体を無理なく見直すポイントを整理します。水まわり、換気、収納、外まわりまで、季節の変わり目にしておきたい“リセット点検”を、わかりやすくご紹介します。

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