生活お役立ちコラム Posted. 2026.05.13

#1-007 片づけるほど湿気がこもる家になっていない?――梅雨前に見直したい、収納の詰め込み方とカビを呼ぶ習慣

 

梅雨が近づくと、押入れやクローゼットのにおい、しまっていた布団や衣類のしっとり感、窓まわりの結露っぽさが気になりやすくなります。
そのとき見直したいのは、除湿剤を増やすことより先に、しまい方そのものです。

 

収納は、入るだけ入れるほど片づいたように見えます。
でも実際には、空気が動かない・湿気が逃げない・布や紙が密着することで、カビが育ちやすい環境をつくってしまうことがあります。網走市も、押入れやクローゼットは換気しても空気の入れ替えが少なく、水蒸気を滞留させやすい場所だと案内しています。(北海道網走市の広報より引用)

 

今回は、梅雨前に見直したい戸建ての収納習慣と湿気対策を、できるだけシンプルに整理します。

30秒で要約

– カビを呼びやすいのは、「古い家」より湿気がたまりやすい収納の使い方です。
– 押入れやクローゼットは、「閉めっぱなし」「詰め込みすぎ」「壁際に密着」の3つが重なると空気が動きにくくなります。

  (北海道網走市、 北見市のホームページより引用)
– 環境省では、カビ予防の基本として湿度を低く保つこと、窓を2か所以上開けて風の通り道をつくることを紹介しています。
– 収納の中は、「増やす収納」より詰め込みを減らして、空気の通り道をつくることが効きやすいです

カビの原因は、「湿気」だけでなく“しまい方”にもある

梅雨前になると、「家が湿っぽいから仕方ない」と感じることがあります。
でも、同じ家の中でも、カビが出やすい場所と出にくい場所があります。差が出るのは、湿気の量だけでなく、空気が動くかどうかです。

 

押入れやクローゼットは、扉を閉める時間が長く、布団・衣類・紙類など湿気を含みやすいものが集まりやすい場所です。押入れやクローゼットは水蒸気を滞留させやすく、長く閉めっぱなしにすると、収納してある布団や衣類にも結露やカビの原因が及びます。(北海道網走市のホームページより引用)

 

つまり、梅雨前に見たいのは「湿度計の数字」だけではなく、その収納の中で空気が動ける状態かです。

片づけたつもりで、湿気を閉じ込めていることがある

収納で起こりやすい“あるある”は、次のようなものです。
 ・季節の変わり目で、とりあえず奥へ押し込む
 ・壁際までケースをぴったり寄せる
 ・来客用布団やバッグを長く出し入れしない
 ・洗ってすぐの衣類や、少し湿り気のある寝具をしまう
 ・扉をいつも閉めたままにしている

 

押入やクローゼットなど閉めっぱなしの場所はこまめに開けて空気を入れ替えたり、部屋の中にものを置きすぎない、外壁側に家具を置く場合は壁から離すと空気の流れがよくなります。

 

「きれいに収まっている」ことと、「湿気がこもらない」ことは、同じではありません。
収納は、隙間があるほうがむしろ健全なことがあります。

カビを呼びやすいのは、“使う場所”より“閉じた場所”

カビが気になると、お風呂や洗面所ばかり意識しがちです。
もちろん水まわりは湿気源ですが、収納の怖さは、気づきにくいまま進むことにあります。

 

収納で見逃しやすいサインは、たとえば次のようなものです。
 ・服を出したとき、少しにおう
 ・収納ケースの裏側がひんやりする
 ・壁際の紙袋や段ボールがやわらかい
 ・布団やコートの一部だけしっとりする
 ・扉の内側だけ空気が重たい

 

こうした違和感は、カビそのものが見えていなくても、湿気が逃げにくいサインであることがあります。

対策の基本は、「除湿剤を足す」より“風の通り道をつくる”

環境省では、カビ予防の基本として、湿度を低く保つこと、晴れた日に窓を2か所以上開けて風の通り道をつくることを紹介しています。
収納の中でも考え方は同じです。大事なのは、湿気を“ためない”ことです。

 

つまり、収納の見直しで効きやすいのは、「もっと入れる工夫」ではなく、
 ・詰め込みを減らす
 ・壁や床に密着させない
 ・ときどき開ける
の3つになります。

収納だけ見ても足りない。湿気は生活の流れで増える

クローゼットの中だけ整えても、家全体で湿気が増えていれば、また戻ってきます。
とくに梅雨前は、室内干し、料理、入浴、加湿、閉め切りが重なりやすく、収納にもその影響が回ってきます。

 

料理や洗濯物干しなど水蒸気が出る場面では、換気扇を使い、必要に応じて少し窓を開けて吸気口をつくると効果的です。
また、国土交通省では換気設備がある住宅では、フィルターや給気口をメーカー指定の方法で定期的に維持管理することが大切だと案内しています。

 

収納の湿気は、収納の中だけの問題ではありません。
暮らしの中で出た湿気が、最後にたまりやすい場所が収納だと考えると見直しやすくなります。

ご家庭ごとに違うからこそ、「収納用品」より“湿気が残る場所”を見る

戸建て住宅は、家によってかなり違います。
押入れ中心の家もあれば、クローゼットが多い家もありますし、換気設備の有無、窓の位置、外壁側の冷え方、収納の奥行きもそれぞれです。

だからこそ、やることはシンプルです。わが家で湿気が残りやすい場所を1つ見つけること。

 

たとえば、
 ・北側の収納
 ・外壁に面したクローゼット
 ・来客用布団を入れた押入れ
 ・洗面脱衣室に近い収納
 ・あまり開けない下段収納

 

このどれか1つでも見つかれば、梅雨前の見直しは十分意味があります。
収納用品を増やす前に、まず詰め込み方と空気の流れを見るほうが、失敗しにくいです。

【3分チェックリスト】今週の“やること”まとめ

1. 押入れかクローゼットを1か所だけ開ける
 → におい、湿っぽさ、ひんやり感がないかを見る

 

2. 壁にぴったり寄せている物を少し離す
 → ケース、布団、紙袋、段ボールなどに少し隙間をつくる

 

3. 詰め込みすぎている場所を1段だけ減らす
 → “全部”ではなく、まず1段で十分

 

4. 晴れた日に扉を少し開けて空気を入れ替える
 → できれば家の中にも風の通り道をつくる

 

5. しまう前の布団・衣類の状態を見直す
 → 少しでも湿り気が残るものは、そのまま入れない

 

6. 家族で一言だけ決める
 → 「この収納は閉めっぱなしにしない」「梅雨前にここだけ見る」など、ひとつ共有する

 

 

ご注意ください。
※1 本文中の押入れ、クローゼット、換気設備、換気口、フィルター等に関する記述は、住宅によって有無・位置・形状・仕様が異なります。
※2 収納内部の通気確保やすのこ等の使い方は、収納寸法や材質によって適し方が異なります。無理に同じ形を再現するより、空気の通り道ができるかで考えるのが安全です。
※3 換気設備がある住宅では、清掃や部材の取り扱いは取扱説明書や引き渡し資料に従ってください。
※4 カビや湿気による不調には住まい方以外の要因もあり、体調面の不安がある場合は医療面の相談もご検討ください。

次回予告

次回は、豪雨シーズンに備える、在宅避難を前提にした戸建ての備蓄と置き場を扱います。
備蓄は「何を買うか」だけでなく、「どこに置くか」で使いやすさが変わります。

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