生活お役立ちコラム Posted. 2026.06.24

#1-010 真夏前の暑さ対策は「冷房」だけじゃない――日射遮蔽・通風・冷房効率を整える住まいの基本

 

暑くなってから慌てて冷房を強くするより、その前に熱を入れにくくして、こもりにくくしておくほうが、夏の暮らしはぐっとラクになります。戸建ての暑さ対策は、エアコンの設定だけでなく、窓まわりの日射遮蔽、風の通り道、設備の使い方の組み合わせで変わります。今回は、真夏前に見直しておきたい「日射遮蔽・通風・冷房効率」の基本を、家のつくりの違いにも触れながらやさしく整理します。

 

30秒で要約

– 夏の暑さ対策は、まず窓から入る日差しを減らすことが基本です。環境省の資料では、すだれ・シェード・外付けブラインドなど「窓の外」で遮る方法は、室内側のレースカーテンやブラインドより日よけ効果が高いとされています。*1
– 通風は、真夏だけでなく、熱をためこまない住まい方として有効です。ただし、風の通りやすさは立地や間取りで変わるため、「わが家で空気が動く場所」を見つけることが大切です。*2
– 冷房は我慢するより、日射遮蔽や扇風機を組み合わせて効きやすい状態をつくるほうが現実的です。環境省の資料では、エアコンと扇風機を併用して体に気流を当てると、体感温度が1~3℃下がるとされています。*3

*1 環境省 健康的で快適な省エネ住宅を手に入れる8つのポイント
*2 国土交通省 住宅と省エネルギー設計と施工2023
*3 環境省 平成30年度住まいと住まい方による熱中症予防

 

まずは「熱を入れない」が夏の基本です

真夏前にいちばん先に見直したいのは、窓まわりです。夏の冷房効率は、室内に熱を入れてから下げるより、先に日差しを遮るほうが整えやすくなります。環境省の資料では、すだれ・シェード・外付けブラインドなど、窓の外につける日よけは、室内側のレースカーテンやブラインドより3倍の日よけ効果があると案内されています。特に西日や朝日の入りやすい窓から優先して整えると、暑さの感じ方が変わりやすくなります。
<参照> 環境省 健康的で快適な省エネ住宅を手に入れる8つのポイント

 

次に、「風が抜ける状態」をつくります

暑さ対策というと窓を開けたくなりますが、いつも開ければよいわけではありません。国土交通省は、通風が夏の涼感や冷房エネルギー削減に役立つ一方で、その効果は地域の風向だけでなく、立地や周辺環境に左右されるとしています。つまり大切なのは、「南北に窓があるから大丈夫」と考えることではなく、わが家で風が通る時間帯や場所を知ることです。窓を開けにくい家でも、室内ドアの開け方、送風、換気設備の使い方で空気の流れはつくれます。
<参照> 国土交通省 住宅と省エネルギー設計と施工2023

 

冷房は「頑張る」より「効きやすく使う」が続きます

環境省は、暑いときはエアコンを我慢せず使うこと、そして扇風機を上手に併用することを勧めています。体に気流が当たるだけでも体感温度は下がりやすく、冷房の負荷も軽くなります。また、国土交通省の資料では、長時間冷房を止めて外出する場合、日射が入る窓の遮蔽部材やカーテンを閉めておくと効果的とされています。帰宅後の「むわっと感」を減らすには、冷房そのものより、その前の窓対策が効いてきます。
<参照> 環境省 平成30年度住まいと住まい方による熱中症予防
<参照> 国土交通省 省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド

 

正解はひとつではなく、「わが家にある設備」で考えれば大丈夫です

戸建ては、深い軒がある家、シャッターが使える家、外付けシェードを付けやすい家、24時間換気がある家、ない家で、整え方が少しずつ違います。24時間換気がある住宅では、止めずに運転し、フィルターなどを定期的に維持管理することが勧められています。一方、そうした設備がない場合でも、すだれ・カーテン・扇風機・エアコンの組み合わせで、夏前の準備は十分始められます。完璧を目指すより、まずは日差しを1か所遮る、風を1本通す、冷房を1段ラクにするくらいからで十分です。
<参照> 国土交通省 省エネ性能に優れた断熱性の高い住宅の設計ガイド
<参照> 住宅情報提供協議会 シックハウス対策、こんなところに気をつけましょう!

【3分チェックリスト】今週の“やること”まとめ

1. 西日や朝日が入りやすい窓を、家の中で1か所だけ確認する
2. その窓で、外側で日差しを遮る方法が取れそうか考える(すだれ・シェード・シャッターなど)
3. 室内で風が抜けやすい窓やドアの組み合わせを1つ見つける
4. 扇風機やサーキュレーターを、人に風が当たる位置で置けるか試してみる
5. 長時間外出する日の窓まわりを、「閉めるもの」「残すもの」でひとつ決めておく
6. 24時間換気設備がある家は、止めていないかと給排気まわりの汚れを軽く見てみる

 

 

ご注意ください。
※1 軒・庇・外付けブラインド・シャッター・雨戸・24時間換気・熱交換換気・サーキュレーターの有無は住宅によって異なります。設備があるご家庭は取扱説明書に沿って、ないご家庭は「外で遮る・室内で送る・冷房を無理なく使う」の3つで考えてみてください。

次回予告

次回は、「子どもの夏休みで変わる家時間に合わせて、共用空間の使い方を組み替える」を取り上げます。
在宅時間が増える季節に、リビングやダイニングが「なんとなく回りにくい」と感じる理由を、家族の動線と居場所のつくり方からやさしく整理します。

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