#3-004 壊れてからでは遅い? 給湯・換気・外装の「見直しどき」をデータで読む

お湯がぬるい、換気扇の音が大きくなった、外壁の色あせが気になる。そんな小さな違和感を「まだ使えるから」と後回しにしていないでしょうか。忙しい30代〜40代の家庭ほど、住宅設備は壊れてから対応しがちです。でも、公的データを見ると、給湯や外装は“なんとなく後回し”にしないほうがいいことが見えてきます。今回は、戸建てで暮らす家族が無理なく始められる、設備更新の考え方を整理します。
ある日突然ではなく、違和感は少しずつ始まる
平日の夜、子どもをお風呂に入れようとしたら、お湯の温度が安定しない。朝は換気扇の音が気になり、休日に外へ出ると外壁のくすみが目に入る。
こうした“まだ困りきってはいない不調”は、子育て世帯や共働き世帯ほど見過ごしやすいものです。生活者目線では「今すぐではない」が積み重なり、気づけば交換も修繕も大きな出費になりやすい――ここが、今回のテーマの出発点です。
<参照>国土交通省 令和5年 住生活総合調査(確報集計)結果
実際には「壊れてから直す」家庭が多い
国土交通省「令和5年住生活総合調査」では、持ち家世帯の維持管理方法として「不具合が生じた際に修繕をしている」73.6%が最も高く、「設備や部材の更新時期に適切に修繕等をしている」22.7%、「更新時期を把握している」15.5%、「修繕等の費用を確保している」19.3%にとどまりました。ブランドの視点で見ると、家の価値を左右するのは“壊れてからの対処”ではなく、“止まる前の準備”です。しかも、「点検・修繕等はしていない」11.6%という結果からも、計画修繕はまだ当たり前にはなっていないことがわかります。
<参照>国土交通省 令和5年 住生活総合調査(確報集計)結果
「何年目」を目安に考えればいい?
国土交通省の部位別資料では、基礎・躯体以外の 「”期待” 耐用年数」は以下のように整理されています。
○給排水・給湯設備の交換 15〜25年
~ご注意ください~上記年数は一般的に期待される耐用年数であり、使用状況や設置場所などによって実際の耐用年数は大きく変化する場合があります。
○屋根・外壁などの外装の貼り換え 30年程度
~ご注意ください~仕上材自体の種類、耐久性のほかに、維持管理に伴う再塗装の周期、塗装材の種類、防水材の種類等にも影響を受けることから、同じ外部仕上材でも交換等の周期に大きな幅が生じる場合があります。
平成30年住生活総合調査では、今後5年以内にリフォームを考える世帯の工事内容として、「外装・内装の更新・改善」61.1%、「設備の更新・改善」55.9%が上位でした。観察の視点で見ると、多くの家庭は“壊れたから”ではなく、“古くなって気になり始めたから”動き出しているとも読めます。
<参照>国土交通省 期待耐用年数の導出及び内外装 設備の更新による価値向上について
<参照>国土交通省 平成30年 住生活総合調査結果
わが家では「10年目から棚卸し」が始めどき
では、どう備えるか。おすすめは、給湯器・換気・外装を一度に交換時期で決めるのではなく、日々のちょっとした点検で現状確認をおこないつつ、「万が一」の時のために予算を備えるという準備をしておくことです。とくに外装は、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターの2024年度統計でも、戸建て新築相談の不具合事象で雨漏り13.5%、発生部位として外壁や屋根が多く挙がっています。専門家相談全体でも、部位は外壁23.6%、設備機器19.8%、屋根14.9%が上位です。つまり、家族の暮らしを止めやすいのは“毎日使う設備”と“後回しにしやすい外回り”。家族が困るのは故障そのものより、「急に決めなければならないこと」です。だからこそ、壊れる年を当てるより、あらかじめ備えをしておくことが大切です。
<参照>公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター 電話相談の実施状況
<参照>公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター 住宅相談統計年報2025
ご注意ください。
※本稿で示した年数は、国土交通省資料に基づく標準的な交換・更新の目安です。すべての住宅に一律に当てはまる“故障年数”ではなく、建物の仕様、立地環境、使用頻度、これまでの点検・補修状況によって前後します。
※住宅相談件数は、全国の住宅でその割合だけ不具合が起きていることを示す発生率ではありません。あくまで相談窓口に寄せられた事象の傾向であり、「どこで困りごとが起きやすいか」を把握する参考情報として用いています。
次回予告
次回は、夏前に見直したい「暑さ対策と光熱費」の話です。
年々気になる猛暑と電気代。冷房を我慢するのではなく、断熱・遮熱・空調をどう組み合わせると、わが家にとって無理のない対策になるのかを、公的データをもとに整理します。暑さを乗り切るための“なんとなく”ではない優先順位を、30代〜40代の家庭目線でわかりやすくお届けします。